ネクステートを用いた発熱外来の運用
- シェアメディカル広報部
- 2021年5月9日
- 読了時間: 3分
更新日:2021年5月10日

愛知県豊田市の「豊田地域医療センター」ではネクステートを用いた発熱外来を運用している。患者さんに自らネクステートを当ててもらい医師はヘッドフォンで聴いて診断する。「豊田モデル」と名付けられた、発熱外来の運用は医療者の感染に対する安心感を担い、また困難な時代だからこそ新たなチャレンジに取り組む事で院内のチームワークが活性化したという。 さらに新型コロナウイルスの地域での流行に合わせてトヨタ自動車ばりの「カイゼン」を積み重ねていく事で新たなチャレンジにつなげていく姿をご紹介します。
感染対策を始めたきっかけ
2020年3月頃から都内の病院などで 院内感染が報道されるようになってきた。
当院でも3月から院内で「新型コロナウイル ス対策ICT委員会」を発足。
病院内外への取り決めを週2回オンライン会 議で決定。病院全体の方針、病棟、外来、 在宅、看護部、リハ、放射線科、健診、 病院事務に分けて協議していった。
感染対策の実際
医療従事者が不意に持ち込む 職員への行動制限、職種毎にチーム分け、 職員の不安感への対応 (勉強会や資料配付)
来院した患者からの感染 発熱や有症状の患者を 病院外で完全に分けて 診察する「発熱外来」 を4月中旬から開始
発熱外来Ver.1
発熱や有症状がある方を院内に入れずに診察する方法を検討していった。
トヨタ自動車からハイエースをお借りし、 車内をビニールで二分割して診察室として利用することとした。
また、株式会社シェアメディカルと協定を結び遠隔聴診器を用いて問診から診察まで車内で完結させることに成功した。

院外に設置し、院内へと有症状患者を入れない方針としていたが、 ①COVID-19流行の長期化が予想された →暑さ寒さ、風雨、虫などを防げない ②プライバシーの問題 →受診していることを他の人に見られたくないという意見 等の問題が出てきた。
発熱外来Ver.2
再度トヨタ自動車に協力頂き、院内の動線を完全に二分化。入り口から症状がある患者は別の動線で外来受診が出来るように。
COVID-19疑い患者用の診察室も 患者と医療者が完全に分かれて問診~診察が完結できるようにした。

アクリル板で仕切られているため医療者の感染可能性と個人防護具の消費を大幅に減 らすことが可能となった。
さらに、感染可能性の低さから医療者の心 理的安全性の担保にもなった。
発熱外来Ver.3

豊田市でも市中感染が拡大し、有病率、 検査時の事前確率も上昇した。
より多くのPCR検査を実施する必要が出てきたため、発熱外来でもアクリル板越しに接触せずに検査が出来る ように改良!
遠隔聴診器の効果
前途のように単なる感染防止だけでなく、 医療者の心理的安全性の担保に繋がった!
また、院内外の様々な職種が一致団結して 新たなチャレンジに 取り組むことで、 病院全体のチームワークが向上したことも大きな成果だった!

オンライン診療への応用
ネクステートシナプスにより聴診音を ブラウザに乗せてより遠くでも聴診可能に!
遠隔で聴診が可能となるため、 DtoPwithNによる 中山間地域の 在宅医療や、宇宙空間への医療も可能に!?

医療MaaS等への活用
訪問先で看護師が患者にネクステートを 当て、オンラインで見ながら遠隔で聴診!
医療MaaSへの導入も実証が行われている!

結語
COVID-19の流行下において 遠隔聴診器は様々な役割を果たした 今後は中山間地域での在宅医療やより遠い距離での診療への活用が期待されるこれからもコミュニティホスピタルでの 「チャレンジ」と「改善」を続けていく
豊田地域医療センター 総合診療科/藤田医科大学 総合診療プログラム
近藤 敬太 Keita Kondo
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